「コンビニよりも多い」ことが取り沙汰されることも少なくない歯科医院。実際、「欲しい患者でユニットを埋めることができない」「衛生士の人材確保に苦労している」といった経営的なお悩みを聞くことも少なくありません。
今回は、「地域NO.1」を目指す歯科医院の経営者の方にぜひ知っていただきたい重要な2つのポイントについてご紹介します。欲しい患者でしっかりユニットが埋まり、歯科医師・衛生士の人材確保に困らないためのポイントをさっそくみていきましょう。
歯科医院は本当にコンビニよりも多いの?
実際、歯科医院の数はコンビニよりも多いというのは本当なのでしょうか?
平成29年時点で、歯科医院数は68,918件なのに対して、コンビニ数は55,341件。なんと、歯科医院数はコンビニの約1.2倍にもなります。
歯科医師数も10万人越え
さらに、歯科医師の数は平成29年で104,533人と、10万人を超えています。特に都市部は歯科医院・歯科医師の数がともに過密状態となっており、いわゆる「患者の取り合い」が激化していることも珍しくありません。
儲けを優先しなければならない経営状態はNG
経営者である歯科医院長は、高い家賃と人件費を支払うためにも「欲しい患者」でユニットを埋めることを考える必要があります。また、「欲しい患者」でユニットを埋められないことで、無理に抜歯治療をすすめ儲けを優先してしまう歯科医院もあります。
そうなってしまうと、患者さんに最良の治療をしてあげることができなくなってしまい、歯科医院の経営事態もより危機的状況に陥らせることにつながります。当然悪い評判も増えますし、「儲け主義」のレッテルを貼られてしまいます。
自然と「欲しい患者」が増えることで、患者さんにとって最良の治療をしっかりしてあげながら、経営状態が良好になるようにすることが重要です。
歯科医院の経営に重要なこと
さて、歯科医院と歯科医師の数が多いこと・競合歯科医院が過密状態にあることから、しっかりと経営戦略を整え経営状態を良好に保つことが大切ということをお分かりいただけたかと思います。
次に、歯科医院の経営に重要な「マネジメント力」と「集患力」の2つの側面について解説していきます。良好な経営状態を整えるためには、「良い人材確保」「スタッフの育成」「モチベーション維持」といったスタッフ側に対する取り組みと、「欲しい患者の確保」という集患に対する取り組みの2つが重要です。
まずは人材確保・スタッフの育成といった、マネジメント力から確認していきましょう。
歯科経営のポイント1:人材確保とマネジメント力
さて、まずはマネジメントについてみていきましょう。マネジメント力として必要なのは、「良い人材確保」「スタッフ教育」そして「スタッフのモチベーション維持」の3つです。
特に、ここ最近歯科衛生士の確保は難しくなっており、「良い人材確保に困っている」「雇ってもすぐに辞めてしまう」といったお悩みが増えています。なんと、歯科衛生士の求人雇用倍率は20倍を超えており、特に都心部では衛生士の数自体が不足しています。
ポイント1:人材確保
衛生士をしっかり確保するためには、まずはスタッフの教育環境や雇用環境を見直し、働きやすい環境であるか客観的にチェックすることが重要です。そして、自歯科医院で働くメリットを、求人広告や求人サイトでしっかりアピールするようにしましょう。
求人にかける広告費をできるだけ抑えて人材確保をするポイントは、以下になります。
- 客観的に雇用環境条件を見直す(働く条件・働きやすさ・教育体制)
- 改善点があった場合改善できるものは改善し、できない場合はほかで補う
- 求人サイトや広告で働くメリットをしっかり伝える
定期的に雇用環境条件を見直し、補強していくことで、少ない広告費でも良い人材が集まりやすい環境に変えていくことができます。また、客観的にみたときの自歯科医院で働くメリットを、明確に求人サイト・広告で伝えてあげるようにしましょう。
特に、経験の浅い歯科衛生士の場合、研修や教育環境をチェックしている場合が多いです。また、有休消化率の高さや、パート制があるかどうかもチェックされています。働きやすい環境、働くメリットがしっかりあることをしっかりアピールしましょう。
ポイント2:教育環境
さて、続いてマネジメント力として重要な、教育環境の整備について確認していきましょう。特に、女性特有のお仕事である歯科衛生士は、家事・出産・子供の送り迎えなどの理由によって一旦現場から離れて再就職する人も多い職業です。
また、歯科医院によって器具の取り扱いや診療の基本が異なる場合があります。「基本的なことは知っていて当然」「前の歯科医院でもやったでしょ」というスタンスだと、歯科医院それぞれの違いを知るのに苦労します。
よって、教育環境が整っているかどうかは、働きやすさにも直結します。経験が浅い・現場から離れていた場合でも、「良い人材」をしっかり育てることができる教育環境を作ることが、競合歯科医院と差をつけるポイントにもつながります。
まずは、マニュアルが整備されているか・先輩スタッフによる指導体制は万全か・分からないことを聞きやすい環境であるかを見直してみましょう。
ポイント3:スタッフのモチベーション維持
スタッフが常に高いモチベーションで働くことができることは、患者さんの満足度においても重要なことです。また、「やりがい」「向上心」を持てることは、長く働くことにつながります。スタッフがモチベーションを高く保つためのポイントは以下になります。
- 患者獲得手当て・ボーナス
- スキルアップしやすい環境かどうか
- 将来のキャリアビジョンを考えられるか
- スキルアップした際の給料アップ
大きく分けて、「自分が成長できる・向上できる」というスキルアップ面と、「成長後の金銭的メリット」の2つがポイントです。
ただし、スタッフそれぞれのモチベーションを保つことは、実はとても難しいこと。人によって価値観が違うように、スタッフによってもモチベーション維持につながることは異なります。
無理に上記の項目を導入するのではなく、まずは導入しやすいものから試してみましょう。
歯科経営のポイント2:欲しい患者の集患力
続いて、欲しい患者を集患することです。「欲しい患者」でユニットを埋め、回転効率を整えることで、安定した経営状態を作ることができます。まずは、歯科医院の強みとなる診療科目は何なのか・その診療を欲している患者さんはどのような方(性別・年齢・興味etc…)を考える必要があります。
また、その診療における患者でユニットを埋める場合、どれらいの回転速度でユニットをまわせば経営上良いのかをある程度計算するようにしましょう。
歯科医院でぜひ取り入れたい集客に特化した経営戦術については別記事にまとめました。詳しくはこちらの記事をご確認ください→【勝ち組歯科医院に学ぶ!】最新集客経営戦術を知ろう
患者層にギャップがあるほど経営難に陥りやすい
「欲しい患者」と「実際に来ている患者」にギャップがある歯科医院ほど、経営状態が悪くなりやすいです。
経営難に追い込まれることで「無理に自費診療をすすめる」「抜歯したがる」というように、診療自体にも悪循環をもたらさないためにも、このギャップを埋めていく作業が重要なのです。
「欲しい患者」と「実際に来ている患者」のギャップが少ないほど、歯科医院の経営状態は良好になります。経営的にも自歯科医院の強みとなる診療を決め、その患者層でユニットを回転させることがポイントです。
また、歯科医院の集患力をしっかりと維持・向上するためには、集客の基本を理解しておくことが大切です。集客について詳しくはこちらの記事をご確認ください→【大定番】儲かる歯科医院に学ぶ!集客方法を徹底解剖
まとめ
いかがでしたか?今回は、歯科医院の経営に重要な「欲しい患者の集患力」と「人材確保・マネジメント力」についてみていきました。
この2つが両方上手くいけば、地域No.1の歯科医院になることは難しくありません。さらに、スタッフがモチベーションが高く良い環境で働いている・歯科医院の経営が上手くいっていることで、相乗効果的に患者を増やすことができます。
ひとつひとつはそれほど難しいことではありません。経営に際しつまずいたと感じることがあった場合は、一度見直してみてくださいね。
ドクター.NETでは、歯科医院を専門に集患サポートを行っています。お気軽にご相談ください。