歯科医院の中では、「自費診療の患者が少ない・なかなか自費率がアップしない」と悩んでいる方も少なくありません。実は、自費の患者を集客するには集客段階からの工夫が重要です。
集客段階において、些細なところにもしっかりと目を向けることで、自費の集客率をアップすることができます。今回は、自費の患者さんを増やすためのポイントについて詳しくみていきましょう。
なぜ自費の集客は難しいの?
自費診療を受ける患者の集客を難しくしている理由として、以下2つが挙げられます。
- 保険診療に比べて金銭的な負担が大きい
- 自費診療をめぐるトラブルの認知
まず1つ目の理由として、自費診療は保険適用外の治療であることから、患者側の金銭的な負担が大きいという点です。もう1つの理由は、自費診療をめぐるトラブルが患者側に広く認知されているという点です。
たとえば、2012年1月に、NHKクローズアップ現代で「歯科インプラント トラブル急増の理由」という特集※が放送されました。この番組では、自費である「インプラント治療」を受けた患者が、治療後にあごがマヒしてしまった事例や、抜く必要のない健康な歯を抜かれてしまった事例などが紹介されています。
テレビ番組だけでなく、たとえばGoogleで「自費診療 危険」と検索すると28万件もの記事がヒットします。全てが自費診療に関するネガティブな記事ではありませんが、少なくとも患者側が「自費診療」に関するトラブルについての情報を得ることは非常に簡単です。
さらに、口コミサイトなどに「自費治療を無理に勧められた」「インプラントにするしか方法がないと言われた」といった、自費診療に関するネガティブな投稿が多くあり「自費診療=ネガティブなイメージの」と頭にインプットされている患者も少なからず存在するのが事実です。
これらの理由から、例え本当に自費診療がその患者にとって最適な治療方法だとしても、説明の仕方を一歩間違えると最悪の場合「悪徳歯科」という不本意なレッテルを貼られてしまします。
では、自費の患者を集客するためにはどうしたら良いのでしょうか?
患者と良い関係を築きながら、自費の集客率をアップするためには一つのポイントがあるのです。詳しくみていきましょう。
自費診療を「勧める」はNG。「選ばせる」ことが集客のカギ!
自費診療の勧め方を誤ると、その治療が適切であっても警戒する患者が少なくないことをご理解いただけたかと思います。
自費の患者を集客するポイントは、「自費診療を勧める」のではなく、「自費診療を選ばせる」ことです。患者への説明を通し、自費と保険における材料・治療後の違いをしっかり理解してもらうことで、患者自身が「自分に適しているのは自費診療」であると考え自然と自費診療を選ばせることが、自費集客率アップへの近道です。
患者が自発的に自費診療を選ぶことで、以下のリスクを回避することができます。
- 無理に自費を勧められたという感情からくるクレーム・金銭トラブル
- ネガティブな口コミの投稿
- 他歯科医院への転院
上記のようなリスクを回避することができるだけでなく、「自費診療を自ら選んだ」患者は歯科医院に対して悪い印象を持つことなく治療に進むので、予約時間に遅れる・治療を拒否するといったその他さまざまなリスクの可能性回避にもつながります。
患者自身に自費診療を選んでもらうためには、患者自身にデンタルIQを高めてもらうことが大切です。そのためには、自費と保険の違いを明確に解説することがポイントになります。
では、歯科治療において素人である患者にどのように説明を行うとスムーズなのでしょうか?
自費診療と保険診療の違いを説明するポイントって?
さて、前項にて歯科医院が自費診療の集客力をアップするには「患者にきちんと理解してもらう」ことが大切と解説しました。その際、以下のような方法で、自費と保険の違いを患者に説明することがポイントになります。
- 治療内容や金額を明確にする
- 写真を活用し保険・自費診療の各治療後の違いを見てもらう
- 動画を活用する
- 自費診療における治療後の保証制度を明確にする
まず、その患者が自費診療を受ける場合の治療内容・金額・できれば治療目安期間まで、可能な限り細かく提示してあげましょう。治療期間も提示することで、患者自身が治療に通うイメージをすることができ、治療内容と金額を時間をかけて検討してくれます。
また、写真を活用し、治療のイメージをつけてもらうことも大切です。写真を通して保険治療をした場合と自費治療を行った場合の治療後の見た目の違いを理解してもらうことで、より明確に違いを知ってもらうことができます。
ただし、このとき「自費治療」という言葉は治療名などの言葉に置き換え、できるだけ使わない方が良いでしょう。「自費治療=ネガティブな治療」という先入観を持たずに、治療方法そのものにおけるメリットを、写真を通じて理解してもらい「この治療に興味がある」と思ってもらうことも大切です。
さらに、動画を活用し、より治療を受けるイメージを明確にすることで、自費集客力アップにつながります。決して完成度が高い動画でなくても良いので、自費診療のメリットや保険診療との違いといった、患者に伝えたい情報を数十秒~3分くらいにまとめましょう。
たとえば、「銀歯とオールセラミックの違いは?」というタイトルで、材質や見た目の違い、メリット・デメリットを丁寧に説明している動画です。動画で伝えることで、文字よりも楽に理解できますし、工夫次第で歯科医院の雰囲気も感じ取れるので集客力アップに非常に効果的です。
最後に、治療後の保証についても説明しておきましょう。上述したように、患者も情報収集しています。そのため、自費のデメリットである「保険がきかない」という点を理解し、その点に不安を感じる人は多いです。そのため、先回りしてその不安を解消することで、患者に安心感を持ってもらうというわけです。
「定期健診に来ている人にだけ、〇年保証を行っている」という場合も、その旨を必ずHPや説明書で記載するようにしましょう。保証制度が明確化されていないので、HPには保証期間を記載しないという歯科医院の方が少なくありません。
しかし、自費の集客率アップのためには、その考えはずばりNGです。明確化されていなくても、その旨をしっかりとHPに記載しておかないと、見込み患者には伝わりません。全く保証制度がない歯科医院と誤解されてしまい、集客にマイナスに働いてしまいます。
まとめ
自費の集客力のポイントをご理解いただけたでしょうか?「勧める」のではなく、自費診療を「選ばせる」ことが、何よりの集客力となります。
患者自身が自費診療について理解することで、患者自らが自費診療を選ぶ仕組み作りが重要です。「選ぶ」仕組み作りが整うことで、自費集客率をスムーズにアップすることができますよ。ドクター.NETでは、歯科医院専門の集客特化サービスを行っています。お気軽にご相談ください。
また、歯科医院の集患力をしっかりと維持・向上するためには、集客の基本を理解しておくことが大切です。集客について詳しくはこちらの記事をご確認ください→【大定番】儲かる歯科医院に学ぶ!集客方法を徹底解剖