経営者である歯科医院長の頭を悩ませる原因のひとつに、「コンビニよりも歯医者が多い」ことがよく挙げられます。特に都心部では歯科医院が密集しており、本来であれば患者さんの診療に集中したい歯科医院長が、毎日机の前で経営戦略に頭を悩ませているということも少なくありません。
今回は、そんな過酷な状況下でも、競合歯科に勝つための集客方法を成功事例と一緒に詳しくご紹介します。目標に合わせて3段階でご紹介するので、あなたの歯科医院に合った集客方法を取り入れてみてください。
まずは歯科医院数の増加推移を知ろう
まず最初に、歯科医院数がどれくらい増えているのかを確認してみましょう。下図は、厚生労働省の医療施設調査による歯科医院数の年別数をグラフにしたものです。
平成12年から平成29年までになんと約5,500歯科医院増加していることが分かります。特に、平成12年から平成19年までなだらかに歯科医院数が増加し、平成20年以降は増加幅が少なくなっています。
このグラフから、平成20年以降は歯科医院の数が飽和状態に達し、「開業したいけれど、競合が多すぎてなかなか開業できない」状態になったことが分かります。
歯科医院は本当にコンビニより多いの?
歯科医院数が飽和状態に達したことが分かりましたが、本当に歯科医院の方がコンビニ数よりも多いのでしょうか?日本フランチャイズチェーン協会の統計調査によると、2017年現在の日本全国のコンビニ数は55,313店舗。
歯科医院の方が13,000店舗以上多いことが分かります。特に、コンビニは駅から遠いところにも分散していますが、歯科医院は集客の関係上、どうしても駅の近くや都心部に密集していることが多いです。
都心部・人気のある地域では数もさることながら、歯科医院の方がコンビニよりもはるかに密集していると考えられます。
集客戦略が歯科医院の生き残りを決める
歯科医院の増加推移とコンビニよりも多い実態が分かりましたが、実際に競合歯科医院に打ち勝つためにはどうしたら良いのでしょうか?「駅から近いこと」や「便利な立地」であることで自然と患者さんが集まるかというと、それだけではなかなか来院してもらえません。
さきほども記述したように、駅近や便利な立地に開業する歯科医院が多いので、同じ強みを持っている歯科医院が周囲に複数ある可能性が高いからです。
さらに、売り上げアップのために自費診療の患者さんを獲得したいと多くの歯科医院が考えています。競合歯科医院に負けずに、売り上げアップにつながる患者さんを集めるためには、次章以降でご紹介する集客方法を活用することが大切です。
それでは、さっそく目標別に集客方法をみていきましょう。
必ず行うべき集客方法4選
まず最初に必ず行いたい集客方法をご紹介します。
スマホ対応したホームページの作成
歯科医院のホームページを作成することは、歯科医院の看板を作ることと同じくらい重要です。看板がないとどこに歯科医院があるのか分からないのと同様に、ホームページがなければ歯科医院のことを知ってもらうことができません。
特に、スマホが急速に普及し老若男女問わずスマホが利用されています。ホームページをスマホ対応させることも必須です。
ホームページをスマホ対応することは、歯科医院の集客において必須と考えて良いでしょう。スマホ対応の方法・ポイントについて詳しくはこちらの記事もご確認ください→2018年よりMFI開始!歯科医院のサイトに必須のスマホ対応について知ろう
SEO対策
SEO対策とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンで、あるキーワードで検索されたときに、ホームページが上位に表示されるようにするための対策のことです。例えば、あなたの歯科医院が渋谷にある場合、「渋谷 歯医者」で検索されたときにホームページが上位に表示されるようにします。
そうすることで、ホームページを見込み患者にみてもらいやすくするのです。看板を見込み客にみてもらいやすい場所に設置するのと同様に、SEO対策をすることでホームページを見込み患者にみてもらえるようにします。
どういったホームページが上位表示されるかはGoogleが決めており、その傾向は不定期的に変わります。Googleの意向に準拠するSEO対策をする必要があります。
定期的にSEO対策の状況や検索順位を確認しないと、「いつの間にかホームページが検索順位に載っていない」ということになりかねないので、しっかりとSEO対策を行う必要があります。
歯科医院がホームページを作成することは、Webマーケティングのスタートラインに過ぎません。ホームページを集客に役立てるためには、SEO対策などのポイントを押さえることが大切です。ホームページについて確認していただきたい事柄についてはこちら→【大定番】歯科医院のホームページに重要な4つのポイント
Googleマップへの登録
Googleマップに登録すると、患者さんがカンタンに歯科医院の場所を調べることができます。また、診療時間や曜日なども登録できるので、患者さんがホームページを調べなくてもGoogleマップの情報から診療日時を知ることができます。
さらに、例えばスマホで「歯医者」と調べられた場合、あなたの歯科医院が近くにあると検索に表示されるようになります。スマホの位置情報に対応しており、ユーザーのいる場所から近い歯科医院を表示するので、店舗型ビジネスである歯科医院と相性の良い機能です。
競合歯医者と差をつける集客方法4選
続いて、歯科医院が密集している地域で開業している場合や、売り上げアップ・自費診療増加を狙いたい歯科医院に取り入れてほしい集客方法をご紹介します。
また、特に自費診療の患者さんを集客したい方向けにより詳しい記事をご用意しております。自費治療を増やすポイントについてはこちらの記事もご確認ください→【意外とカンタン!】歯科の自費集客率が格段に上がる秘訣
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンに出す広告のことです。検索されるキーワードに対して広告を出すので、例えば「マウスピース矯正」というキーワードに対して広告を出すと「マウスピース矯正」と調べられた場合に広告が表示されます。
SEO対策だけでは網羅できないキーワードや、増やしたい診療に合わせて広告を出稿することで集客に役立ちます。
1円から広告配信をスタートでき、狙った見込み患者にだけ広告を配信することができます。広告費用が少ない中小企業と相性が良く、審美歯科や矯正歯科を中心に多くの歯科医院が取り入れている広告配信方法です。
歯科医院の集客にリスティング広告を上手に活用することで、自費診療率アップや欲しい患者の増患につながります。リスティング広告の基本について詳しくはこちらの記事をご確認ください→リスティング広告って?歯医者さんが知っておきたい広告のキホン
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、2014年頃から日本でも普及し始めた「ユーザーにとって有益な情報を記事として配信」する戦術です。見込み患者さんが調べそうなキーワードに対する記事を配信することで、歯科医院の知名度がアップ・自分に有益な情報が載っていることでファンになってもらえる・SEO効果があるなど、さまざまなメリットがあります。
特に、悩み系キーワードで見込み患者が調べることの多い歯科医院と相性バツグンの方法なので、ここ最近急速に取り入れられています。
コンテンツマーケティングの集客成功例:おかざき歯科クリニック
おかざき歯科クリニックは、横浜東戸塚にある歯科クリニックです。おかざき歯科クリニックのコンテンツマーケティング「歯のブログ」の記事は、見込み患者さんが調べそうなさまざまなキーワードにおいて上位表示されています。
また、ひとつひとつの記事を院長自らが作成しており、専門性の高い情報を分かりやすく解説していることも魅力のひとつです。歯のブログ内に予約フォームも設置しており、ブログ経由でなんと月間100人もの患者さんが来院しているそうです。
横浜市外からも患者さんが来院しており、コンテンツマーケティングを集客に役立てる成功事例といえます。
コンテンツマーケティングを実施することで、歯科医院へのファンを増やしたり、集客に役立ちます。コンテンツマーケティングについて詳しくはこちらの記事もご確認ください→【相性バツグン!】歯科医院のコンテンツマーケティングのススメ
動画作成
ホームページ内に動画を組み込むことで、画像や文章からだけでは伝わりにくい情報も、分かりやすく紹介することができます。また、動画で院内紹介やスタッフ紹介を行うことで、実際の歯科医院の雰囲気やスタッフの様子を動画から知ってもらえるので、患者さんが来院しやすくなります。
動画はSNSとの相性も良いので、作った動画をTwitterやFacebookで配信すると文章や画像だけの配信よりも注目が集まりやすいのも魅力。
さらに、ホームページに動画を載せていると最大53倍のSEO効果が上がるといわれています。専門的で分かりにくい診療説明や歯磨き方法とも相性が良いので、さまざまな用途に合わせて活用することで集客・知名度アップ・ブランディングに役立ちます。
動画マーケティングの成功例:審美歯科ホワイトホワイト
審美歯科ホワイトホワイトでは、Youtube内に動画チャンネルを作成したり、ホームページ内に動画を組み込んだりと積極的に動画マーケティングを取り入れています。メディア出演のある石井さとこドクターによる口元美容を紹介する動画や、3万回以上の視聴回数を誇るホワイトニング紹介動画など、さまざまな種類の動画を作成しています。
また、最近ではSNS配信向けに流行りの縦長動画も作成しており、歯科業界の動画マーケティングの先駆けとなっています。
動画をホームページ内に掲載すると、SEO対策効果や集客効果につながります。歯科医院の動画マーケティングについて詳しくはこちらの記事もご確認ください→【メリット満載】歯科医院の最新動画マーケティングのススメ
口コミサイトへの登録
患者さんは、歯医者さんの評判を聞いたり調べたりした上で歯科医院を決める傾向があります。
昔はよく口コミを聞いて歯医者さんを決める患者さんが多かったかと思いますが、それと同様に現在は口コミサイトの評判をみてから歯科医院を決定しています。EPARKやデンターネットといった口コミサイトに登録すると、来院した人が口コミを書いてくれます。良い口コミが増えればその分集客につながりやすくなります。
例えば、患者さんに口コミサイトへ投稿への投稿をお願いすることで、良い口コミを増やすのも良いでしょう。ただし、口コミサイトや予約サイトは、そのサイト内に独自のルールや順位付けがあります。
例えば、広告費を多く出資している歯科医院をサイト内の検索順位で上に持ってきたりと、広告費が少ない歯科医院にとっては、集客に役立たない場合もあります。集客への利用方法をしっかりと組み立てて活用しましょう。
リピート率アップにも効果あり!集客方法2選
最後に、リピート率アップにも効果的な集客方法を2つご紹介します。
Twitter・Facebookによるマーケティング戦術
Twitterやfacebookで積極的に患者さんと接することで、定期的にハガキを郵送するのと似た効果を得ることができます。患者さんに歯科医院のアカウントをフォローしてもらい、TwitterやFacebookの配信をみてもらうことで、歯科医院と常にコミュニケーションしている状態を作ることができます。
また、フォロワーを増やしたりコンテンツマーケティングと組み合わせることで知名度アップにも役立ちます。
特にTwitterはほかSNSと比較しても、気軽にフォローしてもらいやすく、40代以降のユーザーにも人気の高いSNSです。注目を浴びる斬新な投稿や限定キャンペーンの配信といった、ユニークな使い方もできるので、ぜひ取り入れてみてください。
歯科医院専用のアプリ作成
美容院やエステサロンといった店舗型ビジネスでも人気の専用アプリ作成。歯科医院を検索してわざわざ電話番号を探さなくても、アプリをダウンロードしておけば気軽に予約をすることができます。
また、最近はネットパトロールによる医療ホームページへの規制が厳しくなっており、限定キャンペーンや〇%オフといった表現をホームページ内で使うことができなくなっています。しかし、アプリであればこれらの情報を配信しても特に問題ありません。
アプリをダウンロードしている患者さんにお得な限定情報を配信するのも、集客に役立ちます。
まとめ
いかがでしたか?効率的な集客には、ただホームページを作成するだけでなく、さまざまな戦術を総合的に組み立てることが大切です。
特に、来年2018年8月以降は、ネットパトロールによる罰則規制が開始されます。厳しい規制管理下のもと、集客していかなければなりません。計画的にさまざまな方法を集客に利用する歯科医院と、そうでない歯科医院との差はより広がっていくでしょう。
そのほか集客をお考えの歯科医院の方向けにより詳しい記事をご用意いたしました。あなたの歯科医院に合った方法をぜひ集客に役立ててみてください。
【目的別】歯科医院の集客に関する記事
【歯科医院のマーケティング戦略完全版】地域NO.1歯科医院に必要なこととは
【厳選4ポイント!】増患に重要な歯科医院の院内整備って?
【経営を考える】歯科医院の集客に関する記事
マネジメント力がカギ!歯科医院の経営に重要な2つのポイント
【勝ち組歯科医院に学ぶ!】最新集客経営戦術を知ろう
競合歯科医院に打ち勝ち、ネットパトロールの規制にも負けないあなたの歯科医院に合った集客対策をぜひ取り入れてくださいね!ドクター.NETでは、歯科医院に完全特化した集患サポートサービスを行っております。お気軽にご相談ください。