2017年は、特に美容整形・インプラント・審美歯科業界に波紋が広がった年であったといえます。ホームページに診療前後写真の掲載が禁止されたことは、医療系ニュースサイトのみならず、ニュースや週刊誌などさまざまなメディアで話題になりました。
さらに、12月には医療系サイトのGoogle検索順位における大きな変動があり、信頼性がないと判断されたホームページ・医療系サイトは大きく順位を下げられる事態に。これらは、もちろん歯科医院の集客・経営にも大きく関係しています。
いま医療系Webサイトは激動の時代を迎えているのです。
そんな厳しい状況下の中、競合歯科クリニックと差をつけ、安定して新規患者を獲得するためにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、これまでの医療サイトに対する規制の流れも含め、2018年に勝組歯科医院になるために必要な3つの集客戦術を紹介したいと思います。
宣伝はNG!?医療広告への規制の厳しさとは
ホームページへの診療前後写真掲載禁止や、Googleの検索順位の変動についてはご存知の方も多いかと思いますが、これらが直接、どのように集客に関係するかピンとこない方も少なくないかと思います。
この章では、3~4年ほど前から始まった、Web上の医療広告における規制の流れを確認していきましょう。
歯科医院の代表的な3つのWeb集客戦術
まず最初に、歯科医院のWeb集客戦術として、最も一般的なものが以下になります。
- ホームページ
- 「地名 歯医者」といったキーワードでホームページの検索順位アップ(SEO対策)
- リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!といった検索エンジンにおいて、あるキーワードで調べられたときに表示される広告のことです。
例えば「渋谷 矯正歯科」と調べた際、以下のように表示されます。よくみると、「広告」という表示がありますね。このように、自歯科クリニックで増やしたい診療とマッチする検索キーワードに広告を表示します。
歯科医院のWeb集客戦術では、「ホ―ムページ作成」「SEO対策」「リスティング広告」が代表的な3本柱でした。
具体的なWeb集客戦術方法について大まかにいうと、
ホームページを作り「地名 歯科医院」の検索キーワードで上位表示されるようにSEO対策を行う。「地名 歯科医院」以外のキーワードで調べる人には、リスティング広告を出稿し、そこからホームページへ流入させ、見込み患者を獲得。
という流れが、3~4年前まで歯科医院の集客方法として最も一般的でした。つまり、SEO対策では拾いきれないキーワードには広告をかけて、獲得したいターゲットを網羅していたのです。しかしこの流れが変わりつつあります。
2014年からリスティング広告の出稿規制が厳しく
まず、リスティング広告を出稿するための審査が2014頃からとても厳しくなりました。「診療前後写真」「お客様の声」が広告のリンク先ホームページに掲載されていると、広告を出稿できなくなったのです。これは、厚生労働省の「医療ガイドライン」が関係しています。
そのほか「No.1」といった他の医療機関と比較した際の優良性をアピールする表現や、費用を強調する表現が掲載されていてもリスティング広告を掲載することができません。
このように、3~4年前から医療広告に対する規制が厳しくなりました。さらに、今年2017年に新たな打撃が加わりました。それが「ネットパトロールの開始」です。
ホームページも広告規制の対象に
リスティング広告を出稿しにくくなったことで、歯科医院の経営力にはかなりの打撃となりました。リスティング広告の規制対策として、広告配信専用に別サイトを作るなど、さまざまな手段で対策をする歯科医院も少なくありませんでした。
しかし今回、リスティング広告出稿のみでなくホームページも規制対象となることで、集客効果を維持することがさらに難しくなってきたのです。
診療前後写真やお客様の声、そのほか誇大広告・虚偽広告とみなされる表現があった場合、掲載削除の通達が来る恐れがあります。だれでも通報できるシステムも導入されているので、これらの表現があった場合、いつネットパトロールから通達がきてもおかしくありません。
ネットパトロールについて詳しくはこちらの記事をご参考ください。
【ネットパトロール開始】医療ホームページの規制を徹底解説!
診療前後の写真やお客様の声を掲載できないとなると、工夫しなければホームページの集患力を大きく損なってしまいます。競合歯科医院と差をつけるためには、今までの王道の方法を行うだけでは不十分となりつつあるのです。
医療サイトにおけるGoogle検索順位の大変動
さらに、追い打ちをかけるかのように2017年12月にはGoogle検索順位における大変動がありました。
信憑性に欠けると判断される、主に医療従事者が内容を掲載していない医療サイトが大きく掲載順位を下げられ、今までさまざまなキーワードで上位表示されていた大手サイトを含め、多くの医療サイトに大打撃を与えています。
このように、まさに医療サイトは戦場の真っただ中のような状況に置かれているのです。では、今後はどのように対策をすることで、患者獲得力をキープしていけば良いのでしょうか?
「勝ち組歯科医院」になるための経営戦術をみていきましょう。
今までと別の戦術にも視野を広げることが患者獲得のカギ!
集客力を維持し、競合歯科医院と差をつけるために重要なのが、別の戦術にも視野を広げ、ることです。
Web経営戦術に特に重要な「アピール」「宣伝」「SEO」の3つの切り口に対して、新しい戦術を取り入れることが「勝ち組」歯科医院になるための第一歩となります。
勝ち組歯科医院が取り入れている!経営戦術3選
この「アピール」「宣伝」「SEO」の3つにおいて、ぜひ取り入れてほしい戦術をご紹介します。
アピール:動画でアピールポイントをしっかり配信!
診療前後写真やお客様の声の代わりとして、診療の流れや治療のポイントを盛り込んだ動画を掲載することで、歯科医院の強みやアピールポイントをしっかりと伝えることがおすすめです。
医療ガイドラインに反する広告感満載の動画は注意される可能性がありますが、診療の説明や治療においてのポイントを説明する動画の中に、さりげなくアピールポイントを盛り込む程度であれば問題ないでしょう。(大きな声では言えませんが、現時点でのネットパトロール担当者は数名~十数名程度。動画の細かな表現方法までしっかりとチェックしていません。)
アピールポイントを盛り込んだ動画をトップページや各治療ページに掲載することで、文章や写真では掲載できないポイントをしっかりアピールすることでカバーできます。
特に動画は複雑な歯科治療を説明することにおいても相性が良く、さらに動画はSEO対策としての効果も高いので、これを機に取り入れている歯科医院も少なくありません。そのほか動画のメリットについて詳しくはこちらのページもご参考ください。
集患に強い歯科医院の動画作成
宣伝:SNSを上手く取り入れよう!
自歯科医院のTwitterやFacebookアカウントを持っている方は多いと思いますが、患者獲得や宣伝としてしっかりと活用できていますか?
フォロワー数をしっかりと増やし、診療前後の写真をホームページに掲載する代わりに、InstagramやFacebookで定期的に診療前後写真をアップすることが宣伝効果となります。
SNSは日ごろからフォロー人数を増やすために配信を続けなければいけないので、忍耐力が必要です。ただし、しっかりと戦略を考えフォロワー数を増やすことで、メリットも多い媒体です。
特に、
- 既存患者のリコール率アップ
- 期間限定〇%オフキャンペーンの宣伝
- 友達紹介キャンペーンの配信
など、広告規制によりホームページには掲載できないキャンペーンの宣伝や、既存患者へのアプローチに活用できます。自由な内容を配信することができる貴重な媒体なので、上手に活用することがカギとなります。
SEO:今求められている!医療従事者によるコンテンツマーケティング
医療サイトにおける、Google検索順位の大きな変動については先ほど記載しましたが、今まさに、信頼できる医療従事者によるコンテンツ配信が重視される傾向にあります。
いわゆる「質より量」で大量の記事を配信していたサイトが淘汰され、歯科医師や衛生士の方が「しっかりと」信頼できる内容を配信しているサイトが上位表示される傾向にあります。
歯科医院のホームページ以外に、診療について・歯やお口についての情報を掲載するサイトを持つこと(これをコンテンツマーケティングといいます)は、SEO対策に非常に有効です。(もちろんホームページから配信しても良いです)
記事を通して見込み患者にアプローチすることができるので、集客方法のひとつとなります。
コンテンツマーケティングについて詳しくはこちらのページもご参考ください。
歯科医院のためのコンテンツマーケティング
新たにコンテンツマーケティングをスタートするなら、Google大変動のあった今がチャンス!
検索する人に必要な情報を配信することで、歯科医院の信頼感にもつながります。メリットの多いコンテンツマーケティングは、特におすすめの方法です。
従来の経営戦術も見直しながらしっかり網羅しよう
ネットパトロール対策を行うと、医療ガイドラインに準拠したホームページになるので厳しい規制配下でもリスティング広告が出稿できるようになります。ホームページ内の診療前後写真やお客様の声の掲載を削除することで、リスティング広告も配信できるのです。
よって、ホームページを医療ガイドラインに沿った内容に整えることは悪いことばかりではありません。いたちごっこ的に「いつ通報されるか分からない」恐怖と戦いながら一次的に逃れるための戦術を考えるよりも、この際スッキリと医療ガイドラインに準拠したホームページにして広告を出稿した方が、長期的にみたときにかかる費用は少なくなるでしょう。
また、診療前後写真は画像に置き換えることで対応できます。アピールできるところはしっかりとアピールしながら、ネットパトロール対策を行うことが大切です。
ネットパトロール対策について詳しくはこちらのページもご参考ください。
医療サイト向けネットパトロール対策
まとめ:2018年取り入れる戦術が「経営力」を「左右」
最後までお読みいただきありがとうございます。
Webは私たちの生活に欠かせない媒体となっている中で、歯科医院の経営力を左右する大きな要素です。
特に2018年以降、医療サイトから患者を獲得する「集客力」が、より一層歯科医院の「経営力」を左右することになってくるでしょう。
「勝ち組」になるか、「負け組」になってしまうかは、2018年取り入れる戦術にかかっています。ぜひしっかりと集客戦略を考えていきましょう。ドクター.NETでは、歯科医院に完全特化した集患サポートサービスを行っております。お気軽にご相談ください。
また、厳しい状況下でも勝ち組歯科医院になるためには経営戦略を綿密に組み立てることが大切です。歯科医院の経営については、こちらの記事もご参考ください。→マネジメント力がカギ!歯科医院の経営に重要な2つのポイント