新卒歯科衛生士の採用倍率は、なんと20倍を超える場所もざらにあることをご存知ですか?歯科衛生士不足で困っている歯医者さんは都心・地方に関係なく非常に多いです。
その一方で、歯科衛生士が長く勤務している歯科医院や、再就職率の高い歯科医院もあります。歯科衛生士の求人募集に強い歯医者さんにはどんな特徴があるのでしょうか?
今回は、現役歯科衛生士に求人募集について直接インタビュー!どんな歯科医院が歯科衛生士に好まれるのか、求人募集情報の中でチェックしているポイントなど細かく質問してみました。歯科衛生士のホンネに迫ります!
インタビューから、求人募集に強い歯科医院の特徴がみえてきましたよ。
求人募集インタビューにご協力いただいた歯科衛生士さん
- お名前:Iさん
- 年齢:20代後半(今年中にご結婚予定)
- 東京都在住
- 出身学校:日本医歯薬専門学校
経歴
高校を卒業後、某有名百貨店に就職。その後、歯科衛生士の資格を取るために専門学校の夜間学部に入学。
歯科助手として働きながら3年間で卒業。その後常勤・非常勤合わせて4つの歯科医院を経験。Web関連の一般企業を経て、現在はフリーランスとして活躍中。
人柄
清楚で真面目な印象で、笑顔がとても素敵。コミュニケーション能力がとても高く、話やすく優しい印象の女性です。
お仕事柄、歯科医院の先生と仕事柄お話する機会が多いそうですが、衛生士として勤務しないかスカウトされることも少なくないそう。
お話を伺っていても、とてもしっかりとしていて、誰からも好かれる方という印象です。
歯科衛生士の求人募集についてインタビュー
①歯科衛生士になったきっかけと働き方
私 「まず最初に、歯科衛生士になろうとおもったきっかけを教えてください。」
Iさん 「私の場合は、以前から結婚してもお仕事をしていきたいと考えていました。そのためにも、手に職をつけたいと思ったのがきっかけです。」
私 「なるほど。Iさんのように、結婚後もお仕事をしたいと考える歯科衛生士の方は周りに多いですか?」
Iさん 「私の周りでは、結婚を機に辞める人は少数です。年代的な理由もあるかと思いますが。結婚後も今まで通りの働き方を続ける人がほとんどですね。
ただ、出産後は退職したり、働いたとしてもパートに切り替える人が大半です。特にパートの場合は、効率的に時給の良い歯科医院で働きたい人が多いと思います。
子供が小さいうちは特に負担になるので、正社員やフル出勤はしたくない人がほとんどだと思います。」
②歯科衛生士になって良かったこと・大変だったこと
私 「続いて、歯科衛生士の資格を取って良かったと思うことを教えてください。」
Iさん 「多分、ほとんどの歯科衛生士さんが感じていると思いますが、就職に困らないことが一番のメリットだと思います。さまざまな条件の求人から歯科医院を選べるだけでなく、一般企業からの求人募集も少なくありません。
私 「まさに引っ張りだこといったところですね!羨ましい限りです。。。Iさんはもともと百貨店に努めていた経歴もあり、ほか一般企業で働いていたご経験もあります。
その観点から、歯科医院で働いたときに大変だと感じたことを教えてください。」
Iさん 「そうですね。歯科医院は、やはり人数の少ない職場環境なので人間関係の合う・合わないが働きやすさを大きく左右すると思います。私の場合、まだ20代前半の頃に働いていた歯科医院で、年齢がずっと上の歯科助手の方と良い人間関係が築けず苦労しました。」
私 「職場の環境は職業問わず大切ですよね。特に人数が少ないと人間関係も密になりますし。」
Iさん 「はい。やはり女性が多い職場環境ということもあり、スタッフが辞めない歯科医院は人間関係が良好ということが多いように思います。」
③ 歯科衛生士からみて魅力的な求人募集は?
私 「次に求人情報についてご質問させてください。歯科医院の求人募集を見たときに、魅力的だと思う条件にはどんなものがありますか?」
Iさん 「まず必ず確認するのが、社保の完備と有休消化率の高さですね。これは年齢問わず、多くの歯科衛生士がチェックするポイントだと思います。
次にみるのが歯科医院の教育制度です。歯科医院によってルールや管理レベルが違ってくるので、マニュアルが整っているととても安心だなと思います。」
私 「社保、有休消化率、教育制度が大切なんですね。ほかに気を付けてチェックするものはありますか?」
Iさん 「そうですね。さきほども言った通り、歯科医院やスタッフの雰囲気は働きやすさに直結するので必ずチェックします。求人情報だけでなく、その歯科医院のホームページやブログ・動画などかなり細かくチェックしますね。」
私 「なるほど。あとは、求人情報をみていて、この歯医者さんは人気がありそうだなと思う特徴はありますか?」
Iさん 「特に若い歯科衛生士の場合、何か資格が取れる制度が整ってたり、資格を取った歯科衛生士の先輩がいると高ポイントだと思います。
特にモチベーションの高い歯科衛生士はチェックしていますね。あとは、女性特有のお仕事なので、育休・産休が整っていることは必須です。」
私 「条件面や補助的な面までしっかりみて決める方が多いという印象を受けます。そのほか求人募集において必ずチェックすることはありますか?」
Iさん 「歯科医院長の出身大学や資格は必ず確認します。時々歯科医院長の写真が掲載されていないホームページもありますが、やはりどんな人が院長なのか分からないと応募するハードルが上がりますね・・・。
あとは、スタッフの方の写真が多く載っていると、雰囲気が分かるので応募しやすいですね。」
私 「歯科医院の雰囲気や歯科医院長についてもしっかり確認されるということですね。」
ここまでの歯科衛生士の求人募集チェックポイント
- 社保、有休消化率は必ずチェックしている
- 育休・産休制度を整えると長期雇用につながる
- 教育制度の完備や資格取得制度も高評価
- スタッフ・歯科院長の印象も細かくチェックしている
- 人間関係が良好な歯科医院は長期就職率が上がりやすい
- HP、ブログ、動画などくまなくチェックしてから応募している
④求人サイトからの歯科衛生士採用率アップの秘訣
私 「続いて、求人募集情報の探し方を教えてください」
Iさん 「歯科衛生士同士の口コミ、勤務医の先生からの紹介、あと求人サイトではグッピー、とらばーゆをみます。」
私 「やはり口コミは求人においても大切ということですね。また、数ある求人サイトからこの2つをみている理由はなんですか?」
Iさん 「やはり大手の求人サイトであるということと、単純に見やすいとうことですかね笑
そのほかIndeedをみている歯科衛生士は多いです。」
私 「求人サイトの中でも大手のものを中心にみているんですね。」
私 「また、Iさんを含め多くの歯科衛生士の方が、一般企業に転職されています。その理由としてはどんなことがあると思いますか?」
Iさん 「多くの歯科医院は、良くも悪くもどうしても閉鎖的な環境ということが理由のひとつに挙げられると思います。毎日限られた人としか会話をしなかったり、顔を合わせないことで環境にマンネリ化してしまう。」
私 「なるほど。例えば他の歯科医院との交流会があったり、セミナーに積極的に参加している歯科医院もあります。そういった交流のある歯科医院の印象は良いですか?」
Iさん 「すごく印象が良いと思います。特に女性は人と話すことが好きですし、若い人が多い場合、特に喜ばれると思います。」
私 「そういったところも求人サイトでアピールすると採用率が上がりそうですね。」
⑤ 意外と不評?院内行事のある歯科医院
私 「年に数回遠足や宴会、旅行といったイベントを行う歯科医院はどうでしょうか?」
Iさん 「イベントがあることは、実はそんなに高評価にはつながらないと思います。むしろ若い人は、イベントが強制参加かどうかを気にする人が多いと思います。」
私 「ゆとり世代は、飲み会などへの強制参加を嫌うと言いますよね。私は好きですが笑」
Iさん 「私も飲み会は好きです。お互いに交流が持てますし、そういった場でしか話せないこともあって、打ち解ける良い機会になると思います。ただ、強制参加となるとど少し負担になるかなと。」
私 「良かれと思って求人に掲載すると、かえってデメリットになることもありそうですね。」
ここまでの歯科衛生士の求人募集チェックポイント
- 求人サイトは大手サイトを中心にチェックしている
- セミナーや他歯科医院との交流会があると強みになる
- 院内行事については求人に掲載しないか、任意参加にするのが吉
⑥ おまけ:面接のドタキャン防止!LINEを活用
私 「これは、わたしのアイディアなのですが、求人に応募があってから、本面接までに日にちがあったり、忙しいと面接に行くのが面倒になったり気が変わる人もいると思います。
求人から選び放題というのも事実なので、ドタキャン・無断面接キャンセルをする方もいるはずです。
歯科医院側からすると、面接の時間を空けていることが時間が無駄になってしまいます。そこで、面接キャンセル防止方法を1つ考えてみました。」
Iさん 「面白いですね。」
私 「ひとつは、応募後から面接日までLINEでコミュニケーションを取ること。これは、私がビズリーチのアプリを使ったときに良いと思った方法です。
歯科医院についてや志望動機など、聞きたいことを歯科衛生士側と歯科医院側双方が面接前にLINEでやり取りをします。そうすることで、面接前に簡易的な人間関係を築くんです。
知り合いだとドタキャンしにくいのと同じ心理ですね。そうすることでドタキャン・無断キャンセルを減らせるかなと。」
Iさん 「やり取りの内容ではなく、やり取りをすること自体がミソなんですね。凄く良いと思います。
知り合いの歯科衛生士の話を聞いていても、やはりドタキャン・無断キャンセルをする人は少なくありません。LINEでやり取りをするだけで、ドタキャン率は格段に下がると思いますよ!」
私 「/////ありがとうございます。/////」
歯科衛生士さんを募集している歯医者さんにメッセージ
私「最後に、歯科衛生士さんを求人で募集している歯科医院の方にメッセージをお願いします。」
Iさん「歯科衛生士のお仕事は、マニュアル完備や効率化によって大幅に時短できる部分もあります。
なので、歯科衛生士を募集されている歯医者さんは、本当に歯科衛生士が不足しているかもう一度振り返ってみることも大切だと思います。効率化をはかれば、実は特に歯科衛生士は不足していなかったということもあるはずです。」
私「なるほど!ありがとうございます。」
まとめ
いかがでしたか?同じ院内ではなかなか聞けない、求人についての本音の部分に迫ってみました。
もちろん、働くということは双方の需要供給のバランスが合うことが大切なので、無理にこれらの条件を揃える必要は全くありません。
ただ、歯科衛生士が歯科医院の求人のどんなところをみているか分かると、求人情報内でアピールするところも変わるはず。
また、良い気持ちよく歯科衛生士に働いてもらうことで、患者さんにとっても歯科医院にとっても沢山のメリットがあります。
ぜひこれからの求人募集に活かしてみてください。