「歯科衛生士が採用できない!」そんな悩みに頭を抱えている歯科医院長のお話をよく耳にします。去年2017年から求人雇用倍率が上がっており、特に歯科衛生士の雇用倍率は20倍以上!
採用率アップのためには、歯科衛生士が希望する条件を把握し、自歯科医院でも導入可能な採用率アップのためのポイントを押さえることが重要です。歯科衛生士が求めている条件は、意外にもお給料やお休みの条件だけではありませんよ。
今回は、歯科衛生士確保に必要な4ポイントをまとめました。さっそくみていきましょう。
雇用倍率20倍超え!?歯科衛生士不足は全国的に広がっている
多くの職種において人手不足・人材不足が進むなか、歯科衛生士確保も例外ではありません。特に歯科衛生士は、女性特有の職業であり、結婚後は仕事を継続しない人も多い職業です。
実際、歯科衛生士の求人雇用倍率は、なんと20倍を超える※1状況になっています。
特に、首都圏を含む関東地方は25.2倍の高倍率です。求人倍率が25.2倍ということは、単純に考えて1人の歯科衛生士を25以上の医院で取り合うということ。歯科衛生士を採用するのが非常に難しいというのは、当然のことなのです。
ポイントを押さえれば低コストで良い人材を確保できる
さらに、当然ながら歯科衛生士ならだれでも良いというわけにはいきません。歯科医院と相性の合う良い人材を確保したいものです。そのためにも、歯科衛生士自身が求める条件をある程度取り入れて、歯科医院側が複数の歯科衛生士の応募から選べるようにすることが大切です。
もちろん、給与面や休みといった条件が良いに越したことはありません。ただし、「うちの歯科医院はそんな良い条件を出せない」からと、歯科衛生士確保を諦めてしまうのは非常に勿体ないことです。
実は、特に若い歯科衛生士を中心に、雇用条件ではなくサポートや研修体制を重要視してチェックする方が増えています。また、良い環境・人間関係の中で働くことを最優先する方も非常に多いです。
まずは具体的に歯科衛生士の職場に求める条件を把握し、ひとつからでも良いので歯科医院に合った形で求人条件に取り入れることをおすすめします。
※1参考文献:全国歯科衛生士教育協議会
歯科衛生士確保のために取り入れたい雇用条件
歯科衛生士の採用率アップ、かつ優秀な人材確保のためには、どのような雇用条件が必要なのでしょうか?4つのポイントをまとめました。それぞれみていきましょう。
衛生士確保ポイント1:育休の完備やパート制の導入
歯科衛生士は女性ならではの職業なので、どうしても産休・育休の完備や子供の送り迎えにも対応できるパート勤務を条件として求める人が多いです。
- 産休や育休の完備
- 半休・パート制といったフレキシブルな雇用形態
衛生士を担当制にしている歯科医院も多いかと思いますが、できるだけ良い人材を確保するためにも、パート制も導入することをおすすめします。特にパート制は、新しい人材確保だけでなく離職後の現場復帰率アップにも効果的です。
以前働いていた歯科衛生士が、産休を経て再び働きに戻ってきてくれれば、教える手間が省けるだけでなく、何よりとてもうれしいことではないでしょうか。柔軟に働くことができるのは、働く女性にとって非常に心強いことです。歯科医院の現状からして難しい場合もあるかと思いますが、各歯科衛生士同士が助け合い、勤務時間を上手に調整できるような環境は働く女性にとって理想的です。
また、先に帰っても大丈夫な雰囲気の歯科医院であることを、求人サイトなどで伝えることも重要です。歯科衛生士・歯科助手それぞれが、自分の勤務時間が終われば帰れる雰囲気であることも求人情報欄からしっかりアピールしましょう。
衛生士確保ポイント2:意外とチェックされているのが有休消化率
多くの歯科医院の求人情報欄においてあまり記載されていませんが、有休消化率が実際どれくらいかを気にする歯科衛生士は非常に多いです。
有休制度を取り入れている歯科医院では、求人募集欄に去年の有休消化率平均を記載することをおすすめします。有休を取りやすい歯科医院であると数字から感じてもらうことで、正社員の応募率もグンとアップしますよ。
衛生士確保ポイント3:マニュアル・研修制度の完備
- 新人向けマニュアルの完備
- 研修制度の完備
マニュアルが完備されていることは、特に若い歯科衛生士を雇う上で重要です。経験が浅い歯科衛生士は、どうしても技術・知識ともに自信がない場合が少なくありません。また、各歯科医院によって方法が異なったり、滅菌・消毒を含む衛生管理の仕方も歯科医院によって異なる場合が多々あります。
些細な方法の違いによって、職場に対して感じるストレスを減らすためにも、マニュアル完備が役立ちます。一度教えられたことが分からなくなった場合に、マニュアルをみれば分かるようになっていれば、教える側・教えられる側ともに負担が軽減されます。
また、しっかりと研修制度を完備していることも、歯科衛生士にとって安心につながります。「以前働いた歯科医院が忙しすぎて、分からないことを聞けない状況だった」「働きはじめたばかりのときに、失敗を怒られてしまった」といった経験のある歯科衛生士は非常に多いです。
経験が浅かったり、離職期間を経て再就職を考えている歯科衛生士にとって、研修制度が整っていることは重要です。最近は、動画を利用して研修を行う歯科医院も増えています。動画の場合、説明を何度もする手間が省けるので、特に忙しい歯科医院におすすめしたい方法です。
石膏の練り方や、印象採取のポイントをまとめた研修動画を、マニュアルとセットで作っておくと良いでしょう。
衛生士確保ポイント4:意識の高い人は、資格取得サポートをチェックしている!
特に勉強熱心で、率先して勉強会やセミナーに参加している歯科衛生士は、資格取得にも熱心な傾向があります。歯周病や矯正の認定資格や、インプラント専門歯科衛生士資格などを取るための援助・サポート制度を導入してみてはいかがでしょうか?
例えば、資格取得のための勉強会参加費の援助や、歯科医院全体で認定資格取得のために学会参加・教育講座への受講を行っていると、認定資格を取得したい歯科衛生士を確保しやすくなります。
また、認定資格を持つ歯科医師や歯科衛生士がいる場合、その方に院内勉強会を開いてもらうのも良いでしょう。
意識の高い歯科衛生士の確保につながるだけでなく、院内全体の意識も高まります。
衛生士確保には求人サイト・動画で充分にアピールすることも重要!
歯科衛生士にとって、当然ですが職場である歯科医院の雰囲気は、働くかどうかを決めるのに非常に重要な要素のひとつです。特に歯科医院は、職場環境の特性上、どうしても職場の人間関係がほか職業に比べて密であるという特徴があります。
そのため、歯科衛生士は求人サイトだけでなく、歯科医院のホームページやブログまでくまなくチェックし、歯科医院や働いているスタッフの雰囲気をしっかりと確認してから応募する傾向があります。
つまり、歯科衛生士の採用率アップには、より歯科医院の魅力・雰囲気を明確に伝えることも非常に重要です。
スタッフの写真を掲載するのも良いですが、特におすすめなのが動画による歯科医院のアピールです。
動画の場合、歯科医院全体の雰囲気が視覚・聴覚両方からしっかり伝わりますし、院長やほかのスタッフと一緒に働く雰囲気をよりリアルにイメージしやすくなります。
診療風景や院長・歯科衛生士の歯科医院に関するインタビューなど、具体的に歯科医院の雰囲気を感じ取れる動画をひとつ作っておくことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?歯科衛生士獲得に取り入れたいポイントはみつかったでしょうか?歯科衛生士の採用率をアップするためには、まずは歯科衛生士が希望する「条件」をある程度把握しておくことが大切です。
また、職場の雰囲気をより具体的に知ってもらい、自分が働くことがイメージしやすくしてあげることも重要。職場の人間関係は、働きやすさに直結します。「私にとって、働きやすい歯科医院かも!」と思ってもらえるような、動画でのアピールがおすすめです。
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